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委員会

哺乳類保護管理専門委員会

1. 設立目的

 本委員会は,哺乳類の保護管理に関する諸問題を検討し,適正な哺乳類の保護管理の推進のために必要な諸活動を行うことを目的に,1989年に設立された委員会である(哺乳類科学29(2)参照).委員会の活動は多岐にわたることから,委員会内部に問題別に作業部会,ワーキンググループ(WG)およびアフターケアグループ(ACG)を設置して活動を行っている.各種作業部会設置の経緯や目的は下記の通りである.

     
  1. シカ保護管理検討作業部会
     シカ保護管理検討作業部会は,各地で取り組まれているニホンジカ(以下「シカ」)の保護管理に関して情報交換し,問題点の整理や検討などを行うことを目的に1998年に設立された.
     部会設立から20年近く経過した.この間,シカに関する様々な調査研究が積極的に実施され,調査や捕獲に関する技術開発,生態や行動などに関する知見の集積も進んだ.また,40の都道府県でシカの特定計画が策定された.それらはすべて,生態系サービスの低下防止や生物多様性保全の観点から,シカ個体数を減少させることに重点を置いた第二種特定鳥獣管理計画となっている.計画に基づく規制緩和や捕獲事業の強化も実施され,捕獲数も増加し続けている.
     それでも,多くの地域で個体数は減少せず,分布域の拡大も続いている.それに伴う農林業被害や生態系への影響も依然として深刻な状況にある.引き続き,シカの科学的な保護管理が履行され,シカ問題が進展するよう,下記の部会員と方針により活動していく.
  2. クマ保護管理検討作業部会
     日本のクマ類(ツキノワグマ,ヒグマ)の保護管理方法を集約,検討することを目的に1998年に設立された.近年全国各地で発生しているツキノワグマ の大量出没とそれに伴う人身被害の増加も社会問題となっており,多数個体を捕殺する結果となっている.その一方で,シカやイノシシなどの有蹄類と比較してクマ類は生息密度が低いこともあり,個体数の推定や個体数動向の把握が困難なことが,クマ類の個体群管理上の大きな課題となっている.クマ保護管理検討作業部会では,各地で実施されているツキノワグマ,ヒグマの保護管理や研究に関する情報交換,個体群のモニタリングや管理技術の問題点や課題の整理などを行っている.
  3. 外来動物対策作業部会
     近年,飼育動物の逃亡や遺棄,あるいは意図的導入などによって本来の生息地以外の地域に野生化した外来哺乳類が増加し,日本各地で様々な問題を引き起こしている.このような外来哺乳類は農業等被害や人獣共通感染症の媒介などといった人間社会への直接的な影響だけではなく,生態系の攪乱を引き起こし,在来生物へ多大な悪影響を与えることが危惧されている.このような外来哺乳類問題については学会員の関心も高く,日本哺乳類学会1996年度大会において哺乳類保護管理専門委員会の下部組織として移入動物対策作業部会の設置(後に外来動物対策作業部会へ変更)が承認された.この作業部会の目的は,全国の外来哺乳類の分布状況や被害の把握と対策案の提起,および外来動物に関わる法体制の検討にあり,毎年の大会期間中に作業部会を開催し,一般学会員にもオープン参加で自由に討論に加わっていただいて外来哺乳類に関する諸問題を検討している.
  4. ニホンザル保護管理検討作業部会
     ニホンザル保護管理検討作業部会はニホンザルの管理や保全における現在の問題点を洗い出しその改善をはかりつつ,ニホンザルの個体群管理の新たな方向性を探っていくことを目的とし,2008年度に発足した.2013年10月から第2期体制,2016年9月から第3期体制となり,現在に至る.シカやイノシシと同様,ニホンザルの分布拡大とそれにともなう農作物被害が顕著になりだしてからすでに久しいが,ニホンザルは一定の広さをもった行動圏をもつ群れで生活するという特徴があり,また,群れ毎に個体数や加害レベル(主に被害発生状況や人馴れ程度で評価される)が異なるという特性を持っている.このようなニホンザルの生態・行動特性をふまえた独自の個体群管理の方法論を確立することが,問題解決に向けた重要な作業となる.これまでのニホンザル管理についての研究は,主に被害管理の方法論を中心に進められてきた.個体数管理の方法論については,これまでほとんど手つかずではあったが,近年は,対象個体群の加害状況や生息状況を評価したうえで,被害を効率的に軽減するための計画立案のもと,さまざまな手法による個体数管理を実践する地域も現れるようになってきている.そこでニホンザル作業部会では,従来の被害管理における成果と,最近進展しつつある個体数管理の方法論を融合させ,ニホンザル個体群管理の方法論の確立にむけた議論を行う.
  5. 海棲哺乳類保護管理検討作業部会
     海生哺乳類(鯨類,海牛類及び鰭脚類)は我が国水域において重要かつ特異な生態的地位を占めると共に古来より持続的利用の対象にもされ,多様性の維持と共に持続的資源としての保全をはかる必要があるが,各分類グループによってその実情は様々である.
     大型鯨類(ヒゲクジラ亜目全種とマッコウクジラおよびキタトックリクジラ)については1948年に発足したIWC国際捕鯨委員会によってほぼ全ての海域において保護管理が実施され,現在では従来の管理方式の欠点を克服しフィードバック機構を取り入れた改訂管理方式(RMP)が完成を見て,各対象資源(系群)を対象に運用試験が行われている.IWC自体は持続的利用の再開を決めかねているが,いずれにしても科学的な保護管理手法についてはある程度の成功を見ている.一方,小型鯨類(上記を除くハクジラ類)は加盟国政府に管理がゆだねられているが,管理の進んだ我が国においてさえもRMP型管理方式の適用には至っていない.
     鰭脚類については,現在では直接的持続利用資源としての役割は減じているが,間接的には水産業との関連も重要である.水産業との関係の深さによりトドは水産庁,アザラシ類は環境省と管掌官庁も区分されてきたが,両グループ共に個体群の自然増加により,近年では食害や混獲等漁業との軋轢も生じている.また,絶滅が危惧されている海牛類については,保護政策に政治的要素も絡み,具体的な保護政策の策定には至っていない.
     本部会では,表記の背景を踏まえ,海生哺乳類の多様性の維持,生態系との調和,漁業活動との調和を目指し,各(分類)グループの実情に応じ,保護管理方策を策定するにあたっての問題点を摘出し,その解決策を提言していくこと目的として,2013年に発足し活動を行う.また,当面の課題としては,資源管理方策の明瞭な大型鯨類資源評価及び管理手法を他の分類グループ適用の実行可能性を検討する.
  6. イノシシ保護管理検討作業部会
     イノシシの分布域の拡大や個体数の増加にともない農林業被害や生態系の攪乱が各地で発生している.このためいくつかの都道府県では,鳥獣保護法による「特定鳥獣保護管理計画」や市町村では,鳥獣被害防止特措法による「被害防止計画」を作成し,積極的な被害防除に取り組んでいる.
     ところがイノシシは季節的な個体数変動が大きいため,個体数管理の主要な技術である簡便で有効な個体数推定法すら,いまだ開発途上にある.一方で被害管理に関しては,各地で様々な管理技術が新たに開発されつつあり,他地域への応用も期待できるようになっている.特に,地域に根付いた研究者が少ない地方自治体においては,基本的な学術情報の提供と他地域の研究成果や新技術を導入させる必要があるが,他地域の個々の研究者の努力の範囲を超えており,学会としての適切な対応が必要となっている.
     そこで,各地で取り組まれているイノシシ保護管理技術に関する情報交換を行い,課題を集約すると共に,イノシシ研究成果のリスト化や若手研究者を育成するなど,人材育成と科学的知見の普及によって,各地の特定鳥獣保護管理計画および被害防止計画の円滑な遂行,被害地域での技術普及に寄与することを目的に,2013年にイノシシ保護管理検討作業部会が設置された.
  7. カモシカ保護管理検討作業部会
     1979年の文化,環境,林野の3庁による合意により,カモシカの保護管理は保護地域を主体とした保全と,保護地域以外での個体数調整を含む被害防除が基本方針となり,これを軸に諸施策が進められてきた.これはカモシカ個体群が拡大している状況の下での施策であった.しかし,設定されたカモシカ保護地域に法的な効力を持たせること,すなわち天然記念物指定を種指定から地域指定へ変更する目処が未だにたっていない.
     また21世紀に入ってから,カモシカの分布は引き続き拡大傾向にあるものの,生息密度は低下傾向にある.しかも,保護地域内や従来の中心的生息地であった山岳地での密度が低下し,低標高の里山や耕作地周辺に生息する個体が増えているといわれている.これにはシカの増加と森林環境の変化が影響しているものと考えられる.特に西日本の地域個体群では生息密度の低下と個体数の減少が急速に進み,絶滅の防止も念頭に置いた保全策検討の必要性が指摘されている.
     しかし,哺乳類学会としてこれまでカモシカ保護管理を論議し検討する場がなかった.このような状況を踏まえ,カモシカの保護管理問題の検討とそれを支える研究の活性化を支援することを目的に,2017年2月にカモシカ保護管理検討作業部会を創設する.
  8. レッドデータ作業部会
     日本産哺乳類全般について絶滅のおそれの程度が評価されたのは,環境庁(1991)によるレッドリストおよびレッドデータブック(旧版)が最初である. ただし,ジュゴン,イルカ・クジラ類については評価が行われなかった.評価の基準としては,当時IUCN(国際自然保護連合)が用いていた基準(旧基準)が使われた.これに対して日本哺乳類学会は,1993年に保護管理専門委員会の中にレッドデータ検討作業部会を置き,環境庁とは別に,すべての日本産哺乳類を対象として,学会独自のレッドリストを旧基準に従って作成し,1997年に「レッドデータ日本の哺乳類」(文一総合出版)として公刊した.このときのレッドリストが,学会によって正式に作成された唯一のものである(日本産哺乳類レッドデータ参照).
     その後,環境省は,IUCN(1994)の定量的基準(新基準)を準用して,レッドリストの見直し(第一次)を行い,1998年6月に公表した.この見直しはほぼ5年ごとに行われるもので,2003年11月に2回目の見直し作業(第二次)が開始された.この見直しに用いられたのはIUCNの改訂新基準(2001)である.
     現在のレッドデータ作業部会は,1993年に設置された作業部会が活動を休止していたことから,環境省によるレッドリスト第二次見直し作業に対して,学会員からの情報や意見を集約・提示することを目的として,2005年度の学会大会時に設置が決められた(哺乳類科学45(2)会記参照).作業は2006年から行われ,まとめられた意見は環境省「絶滅のおそれのある野生生物の選定・評価検討会(哺乳類分科会)」に提出された.絶滅危惧度合いの最終的な判断は,環境省の検討会によって行われ,最新版レッドリストが2007年8月に公表されている.
     その後,2009年3月から第三次見直しが開始され,2012年度に改訂レッドリストが公表されている.なお,環境省版レッドリストの評価対象種には,第二次見直しからジュゴンが含まれるようになったが,クジラ・イルカ類は含まれていない.
   

2. 委員(2022〜2023年度)

委員長   池田 透(北海道大学)
副委員長  横畑泰志(富山大学)
幹事    八代田千鶴(森林総合研究所)
シカ保護管理検討作業部会長    飯島勇人(森林総合研究所)
クマ保護管理作業部会長      釣賀一二三(北海道立総合研究機構)
外来動物対策作業部会長      亘 悠哉(森林総合研究所)
ニホンザル保護管理作業部会長   山端直人(兵庫県立大学)
海棲哺乳類保護管理作業部会長   北門利英(東京海洋大学)
イノシシ保護管理作業部会長    岸本真弓((株)野生動物保護管理事務所)
カモシカ保護管理検討作業部会長  小池伸介(東京農工大学)
レッドデータ作業部会長      石井信夫(元・東京女子大学)
委 員    淺野 玄(岐阜大学)
池田 敬(岐阜大学)
江成広斗(山形大学)
加瀬ちひろ(麻布大学)
河合久仁子(東海大学)
小坂井千夏(農研機構)
城ヶ原貴通(沖縄大学)
鈴木正嗣(岐阜大学)
關 義和(玉川大学)
塚田英晴(麻布大学区)
常田邦彦(元・自然環境研究センター)
橋本琢磨(自然環境研究センター)
服部 薫(国立研究開発法人水産研究・教育機構)
田村典子(森林総合研究所)
平田滋樹(農研機構)
福井 大(東京大学)
森光由樹(兵庫県立大学)
安田雅俊(森林総合研究所)
山田文雄(沖縄大学)
山崎晃司(東京農業大学)
横山真弓(兵庫県立大学)

3.作業部会,ワーキンググループ(WG),アフターケアグループ(ACG)メンバー(2022~2023年度)

  1. シカ保護管理検討作業部会(41名)
    飯島勇人(部会長),高木 俊(副部会長),横山典子(副部会長),明石信廣,浅田正彦,荒木良太,安藤正規,伊吾田宏正,稲富佳洋,上野真由美,宇野裕之,大場孝裕,大西勝博,梶 光一,岸本真弓,岸本康誉,鞍懸重和,黒江美紗子,小泉 透,鈴木 圭,鈴木正嗣,高木俊人,高橋裕史,竹下 毅,立澤史郎,塚田英晴,永田幸志,永田純子,秦 彩夏,濱崎伸一郎,林 耕太,藤木大介,堀野眞一,松浦友紀子,松田裕之,丸山哲也,南 正人,森嶋佳織,山内貴義,八代田千鶴,横山真弓
  2. クマ保護管理検討作業部会(25名)
    釣賀一二三(部会長),中川恒祐(副部会長),小坂井千夏(事務局),小林喬子(事務局),近藤麻実(事務局),山﨑晃司(事務局),姉崎智子,石橋悠樹,伊藤哲治,鵜野レイナ,岸元良輔,小池伸介,後藤優介,佐藤喜和,澤田誠吾,白根ゆり,玉谷宏夫,西 信介, 根本 唯, 深澤圭太,間野 勉,水谷瑞希,山田孝樹,山中正実,横山真弓
  3. 外来動物対策作業部会(21名)
    亘 悠哉(部会長),安田雅俊(副部会長),阿部慎太郎,池田 透,栗山武夫,佐伯真美,白井 啓,城ヶ原貴通,鈴木嵩彬,鈴木嵩彬,田村典子,土井寛大,徳吉美国,鳥居春己,橋本琢磨,福江佑子,船越公威,三浦慎悟,村上興正,諸澤崇裕,山田文雄,横畑泰志
  4. ニホンザル保護管理検討作業部会(24名)
    山端直人(部会長),森光由樹(副部会長),清野未恵子(事務局),江成広斗,宇野壮春,今野文治,滝口正明,光岡佳納子,海老原寛,望月翔太,辻 大和,常田邦彦,森光由樹,鈴木克哉,中村大輔,葦田恵美子,清野紘典,渡邊邦夫,藏元武藏,関健太郎,松田裕之,高木 俊,三木清雅,江成はるか
  5. 海棲哺乳類保護管理検討作業部会(8名)
    北門利英(部会長),大泰司紀之,金治 祐,小林万里,佐々木裕子,須藤健二,服部 薫,宮川尚子
  6. イノシシ保護管理検討作業部会(14名)
    岸本真弓(部会長),浅田正彦,姉崎智子,池田 敬,上田弘則,加瀬ちひろ,佐藤那美,鈴木正嗣,堂山宗一郎,仲谷 淳,西 信介,東出大志,山本麻希,横山真弓
  7. カモシカ保護管理検討作業部会(24名)
    小池伸介(部会長),安田雅俊(副部会長),饗場木香(事務局),三浦貴弘(事務局),山崎(関)香菜子(事務局),岸元良輔(幹事),常田邦彦(幹事),姉崎智子,安藤正規,池田 敬,江成広斗,奥田 圭,兒玉尚也,關 義和,髙田隼人,高柳 敦,滝口正明,中園朝子,西村愛子,橋本幸彦,山城明日香,山田孝樹,山田雄作,八代田千鶴
  8. レッドデータ作業部会(20名)
    石井信夫(部会長),橋本琢磨(全般、事務局),伊澤雅子(食肉目裂脚亜目ネコ科),岩佐真宏(齧歯目ネズミ科・ヤマネ科),押田龍夫(齧歯目リス科,兎目),加藤秀弘(鯨目),川田伸一郎(食虫目モグラ科),小林万里(食肉目鰭脚亜目),村上隆弘(食肉目裂脚亜目イタチ科),河合久仁子(翼手目),常田邦彦(霊長目,偶蹄目)福井 大(翼手目),間野 勉(食肉目裂脚亜目クマ科),三浦慎悟(偶蹄目),村上興正(齧歯目), 森部絢嗣(食虫目トガリネズミ科),森光由樹(霊長目), 山崎晃司(食肉目裂脚亜目クマ科),山田文雄(兎目),横畑泰志(食虫目)
  9. ワーキンググループ(WG)
    • 錯誤捕獲WG(28名)
      八代田千鶴(座長),小坂井千夏(事務局長),荒木良太(事務局),淺野 玄,飯島勇人,池田 透,石井信夫,江成広斗,岸元良輔,岸本真弓,小池伸介,小寺祐二,近藤麻実,鈴木正嗣,清野紘典,竹下 毅,近清弘晃,塚田英晴,釣賀一二三,常田邦彦,中川恒祐,平田滋樹,福江佑子,南 正人,安田雅俊,山﨑晃司,山田雄作,亘 悠哉
  10. アフターケアグループ(ACG)
    事務局(池田 透,横畑泰志,八代田千鶴)
    • 尖閣諸島魚釣島野生化ヤギ要望書ACG
      (横畑泰志,亘 悠哉,事務局)
    • 熊本県クリハラリス早期根絶対策要望書ACG
      (安田雅俊,石井信夫,池田 透, 事務局)
    • 狭山丘陵キタリスACG
      (田村典子,横畑泰志,石井信夫,村上興正,池田 透,事務局)
    • 奄美大島と徳之島におけるノネコACG
      (山田文雄,石井信夫,亘 悠哉,池田 透,事務局)
    • 馬毛島アセスACG
      (淺野 玄,石井信夫,常田邦彦,高木 俊,立澤史郎,事務局)

4.活動内容

 委員会の活動には,諸問題の現状や関連する調査研究,技術,法制度のレビュー,各種要望書やパブリックコメント等の作成・提出,学会大会における自由集会等の企画などがある.2000年以降に学会または委員会から提出した主な各種要望書や意見書,パブリックコメント等は学会HPに掲載している.また,委員会内部に設置している作業部会の設立趣旨と活動内容などは下記の通りである.

  1. シカ保護管理検討作業部会
    これまでの主な活動内容
    • 保護管理計画の事例集の作成(哺乳類科学47(1)参照)
    • 鳥獣保護管理法の改正及び関連ガイドライン等の改訂に係る問題点等の検討及び意見提出
    • 自由集会・ミニシンポジウムの開催
    • 都道府県でのシカの保護管理をめぐる情報の交換
    • シカ個体数(生息密度)モニタリング手法の検討と課題の整理
    今後の活動方針
    • シカの保護管理におけるモニタリング手法に係る検討
    • 自然公園,高山・亜高山帯におけるシカの影響把握と保護管理上の課題検討
    • シカの捕獲体制に関する検討や錯誤捕獲等に関する問題点の整理・対策・支援の検討
    • 第二種特定鳥獣管理計画に対する評価及び意見提出
    • 鳥獣保護管理法等関連法令の改正・関連ガイドライン等の改訂に対する意見提出
    • 自由集会・シンポジウム等の開催
    • 他の保護管理検討作業部会との連携
  2. クマ保護管理検討作業部会
    これまでの主な活動内容
    • 都道府県別保護管状況事例集の作成(哺乳類科学48(1)参照)
    • 全国のクマ類の保護管理,モニタリングに関する情報の交換
    • 保護管理技術の検討
    今後の活動方針
    • 都道府県別保護管状況事例集の更新
    • 保護管理技術指針の作成
    • 自由集会,シンポジウム等の企画,開催
  3. 外来動物対策作業部会
    これまでの主な活動内容
    • 外来哺乳類に関する分布・被害・影響等・対策の情報整理動物分類群ごとに担当部会員を決め,生息分布・農林水産業などへの被害状況・在来生物への影響などの現状把握,対策の進捗状況の確認や対策案の提案などを継続している. 緊急対策課題:奄美大島のマングース問題(担当:山田文雄),沖縄のマングース問題(担 当:阿部慎太郎),北海道のアライグマ問題(担当:池田 透),外来マカク問題(担当:白井 啓 )
    • 要望書等の原案作成・提出
      (提出した要望書の詳細は学会HPにて公開してあります)
      • 1998年 「移入哺乳類への緊急対策に関する要望書」(大会決議)の原案及び補足資料の作成(詳細は哺乳類科学第39巻第1号:115−129頁 参照),提出先:環境庁・厚生省・通商産業省・農林水産省・総理府・北海道開発庁・沖縄開発庁・北海道・東京都・愛知県・岐阜県・鹿児島県・沖縄県
      • 2002年 「尖閣列島魚釣島の野生化ヤギの対策を求める要望書」の原案作成,提出先:環境省・外務省・沖縄県・石垣市
      • 2002年 「特定種の飼養及び管理についての要望」の原案作成,提出先:青森県
      • 2005年 「和歌山県におけるタイワンザル交雑集団の捕獲継続に関する要望書」の原案作成,提出先:和歌山県 「和歌山県におけるタイワンザルとニホンザルの交雑問題に関する要望」の原案作成,提出先:環境省
      • 2009年 「鹿児島市喜入に定着したジャワマングースの早期根絶対策の要望書」の原案 作成,提出先:環境省・農林水産省・鹿児島県
      • 2010年 「熊本県宇土半島に定着したクリハラリス(タイワンリス)の早期根絶対策の要望書」の原案作成,提出先:環境省・農林水産省・熊本県
      • 2013年 「熊本県宇土半島のクリハラリス(タイワンリス)の根絶のための緊急対策についての再度の要望書」の原案作成,提出先:環境省・農林水産省・熊本県
      • 2013年 「狭山丘陵に野生化した特定外来生物キタリス(Sciurus vulgaris)根絶のための緊急対策についての要望書」の原案作成,提出先:環境省・東京都・埼玉県
      • 2015年「奄美大島と徳之島におけるノネコ対策緊急実施についての要望書」の原案作成,提出先:環境省,鹿児島県
      • 2016年「熊本県宇土半島の特定外来生物クリハラリス(タイワンリス)の早期根絶のための今後の対策推進についての要望書」の原案作成,提出先:熊本県
      • 2016年「静岡県浜松市で分布を広げている特定外来生物フィンレイソンリス/クリハラリス(Callosciurus finlaysonii / C. erythraeus)の対策要望書」の原案作成,提出先:静岡県・浜松市
    • 外来動物に関わる法体制の検討外来生物法の制定において,パブリックコメントによる意見提出や外来哺乳類に関する各種情報提供を行うとともに,特定外来生物種の選定において作業部会員が選定作業に参画するとともに,法制定後の課題等についても検討を進め,よりよい外来生物管理体制の確立を目指している.
    • 国際シンポジウム「侵略的外来哺乳類の防除戦略~生物多様性の保全を目指して~」(那覇,2008年10月)
    今後の活動方針
    • 日本における外来哺乳類対策は普及・啓発の第一段階を終え,具体的な成果が求められる第二段階に達していると認識しており,引き続き外来哺乳類に関する情報把握に努めるとともに調査・研究の精度の向上を目指し,効果的な対策に結びつけたい.
    • 各地の外来哺乳類情報の集約と早期対策のためのシステム考案
    • 外来生物法の見直しに向けた問題点整理
    • 研究集会の企画 など
  4. ニホンザル保護管理検討作業部会
    これまでの主な活動内容
    • ニホンザルの捕獲状況に関する全国市町村アンケート(哺乳類科学 55(1): 43-52にて報告)
    • 大会時の自由集会・ミニシンポジウムの企画
    • 研究会「法改正に伴う今後のニホンザルの保全と管理の在り方」の開催(日本霊長類学会との共催)
    • 市町村を対象としたニホンザル管理実態把握アンケート
    • パブリックコメント・要望書等への意見提出
    今後の活動方針
    • 大会時の自由集会・ミニシンポジウムの企画
    • 行政担当者等も交えた現地研究会の開催
    • 研究者・実務者の交流促進とネットワーク化 など
  5. 海棲哺乳類保護管理検討作業部会
    これまでの主な活動内容(予備的活動も含む)
    • オホーツク海における海獣類のレビュー
    • オホーツク海における鯨類調査の問題点
    • 北海道周辺における海獣類の回遊状況と食害評価
    • ジュゴン八重山個体群の復元
    今後の活動方針
    • 各分類グループでの保護管理の実態と管理方策のレビュー
    • 大型鯨類,小型鯨類,トド,アザラシ類,海牛類に関する活動
    • その他
      • IWC改訂管理方式(Revised Management Procedure; RMP)の考え方と捕獲枠設定アルゴリズムのレビュー
      • 潜在的間引可能頭数(Potential Biological Removal; PBR)推定手法のレビュー
      • 海生哺乳類の保護管理におけるRMPおよびPBR適用の実行可能性評価(ゼニガタアザラシでの試算を含む)
      • 海生哺乳類の保護管理方策提言に関する検討
  6. イノシシ保護管理検討作業部会
    これまでの主な活動内容
    作業部会では下記の課題などについて,テーマを絞り込みながら活動を進めている.
    • イノシシの総合的管理に関すること
      ・被害管理:防護柵の設置と維持管理手法,防護柵の効果検証
      ・生息地管理:環境整備手法,在来個体群保護の観点からの生息地管理手法
      ・個体群(数)管理:繁殖パラメータなど人口学的パラメータ,個体数推定方法,週齢査定,捕獲手法
    • イノシシ研究およびイノシシの総合的管理に関わる人材の育成
    • 特定鳥獣保護管理計画などの行政施策に関すること
      ・国,都道府県,市町村などへの情報提供や講師派遣など
      ・国人材登録事業との連携
    • 「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」に関わる情報の収集,提言など
    • 捕獲個体の資源利用,人獣共通感染症などに関すること
    • 自由集会,シンポジウムなどの企画と開催
  7. カモシカ保護管理検討作業部会
    今後の活動内容
    • 保護管理及び研究に関する情報交換および情報整理
    • 保護管理に関する分析,課題の整理,施策の検討と提言
    • 保護管理及び研究に関する普及啓発
  8. レッドデータ作業部会
    これまでの主な活動内容
    • 環境省が設置する「絶滅のおそれのある野生生物の選定・評価検討委員会」哺乳類分科会が作成する原案(評価対象分類群リスト,評価結果など)を検討し,学会の意見を集約して分科会に伝えること,また,評価などに必要な情報を哺乳類分科会に提供することを主な活動内容としている.今後は,第5次レッドリスト・レッドデータブックの公表に向けて,リストの全面改訂の作業を進める.

5.委員長連絡先

〒060-0810 北海道札幌市北区北10条西7丁目
北海道大学大学院文学研究院人間科学部門地域科学分野
地域科学研究室  池田 透
Tel. 011-706-4163
Fax. 011-706-4163
E-mail: tikeda<アットマーク>let.hokudai.ac.jp(←<アットマーク>を@に変更して下さい)

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