1970年 オーストラリア,ニューサウスウェールズ州生まれ. 京都大学総合博物館教授.受賞理由は,以下の4点に要約される.
- 1) アジアの哺乳類の種多様性研究を精力的かつ独創的に進め,アジアの哺乳類種多様性の形成と進化を明らかにし,種分類体系を大幅に改訂したすぐれた研究成果を多数の論文を執筆することによって国際的に発信したこと
- 2) 若手ネズミ研究者との連携や共同研究を精力的に推進している.これは近編著『日本のネズミ,多様性と進化』(2016年,東京大学出版会)に結実している.また,アジアの哺乳類種多様性研究を推進するうえで,アジア各国との共同体制や研究ネットワークの構築に積極的に努められたこと
- 3) 日本哺乳類学会では,「Mammal Study」の編集委員長ほか,評議員,理事,種名・標本問題検討委員,国際交流委員などの重要な役割を担い,献身的に哺乳類学会の向上と国際化に貢献してきたこと
- 4) 国内外の次世代を担う若手の哺乳類研究者の育成に尽力され,優れた若手研究者を輩出していること
本川雅治氏は,フィールドワークによってデータや標本を収集し統合的に解析する独創的アプローチによって,アジアの哺乳類の種多様性研究に大きな成果をあげてきたこと,現在も勢力的に研究活動を継続していることを付記したい.