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鈴木 仁氏

鈴木 仁氏は,哺乳類学における分子遺伝学的解析を先導し,日本列島を中心とした哺乳類の起源と歴史を明らかにするという巨大な研究課題に取り組んできた.研究成果はつねに世界最高水準にあり,執筆発表された論文は100 編を優に超え,この分野の国際的リーダーとしての地歩を築いている.ネズミ類の分子系統学的研究では,Rattus,Mus,Apodemus などの系統が,非連続平行的に分化を遂げたことを証明し,第三紀末以後の地球規模の環境変動がネズミ類の進化に大きな影響を与えていることを示した.また化石資料の乏しいアジア・極東における種分化を分子遺伝学的に精査,日本列島の哺乳類相の成立に関する斬新な理論を確立した.さらにハツカネズミ類の変異,トゲネズミ類の性決定遺伝子など多岐にわたる研究を遂行した.そして,次世代の教育にも力をそそぎ,数多くの哺乳類学研究者を育てている.学会員として日本哺乳類学会の活動に長く貢献し,評議員,理事,編集委員会委員長,国際交流委員会委員長などを歴任,学会運営に大きな足跡を残した.

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