1924年兵庫県生まれ.京都大学霊長類研究所教授をへて京都大学名誉教授.理学博士,児童文学作家.現在,兵庫県立丹波の森公苑長,日本福祉大学生涯教育研究センター名誉所長,兵庫県立人と自然の博物館名誉館長.自然人類学の視点からニホンザル,ゴリラ,ゲラダヒヒなどの社会生態学的研究を展開し,多数の研究論文と著作を発表し,日本の霊長類学を牽引し,発展させてきた世界的泰斗.古くからの日本哺乳類学会会員で,霊長類学や人類進化の課題を,哺乳類を含む動物生態学の広い観点から追及するとともに,日本の哺乳類学の発展を見守り続けてきた.近年では,野生哺乳類の保全や管理の課題にその最前線で取り組んでいる.『ゴリラ探検記』(1961,講談社),『森林がサルを生んだ』(1979,平凡社),『人間の由来(上下)』(1992,小学館)などのほか著書,論文多数.研究活動のかたわら『少年動物誌』(1975,福音館書店),『河合雅雄の動物記』(1997~,フレーベル館)などの児童書や青少年向け著作を精力的に執筆し,子供たちに自然や野生動物の素晴らしさや大切さを伝えている.朝日賞(1969),NHK放送文化賞(1990),紫綬褒章(1990),毎日出版文化賞(1992),日本学士院エジンバラ公賞(2004)など受賞歴多数.日本哺乳類学会は,河合雅雄先生が永年の会員であり,学会を支えていただいたことに敬意を表し,そしてご長寿を願い,ここに日本哺乳類学会特別賞を授与する.