1942年生まれ.九州大学理学部生物学科生態学研究室をへて長崎大学環境科学部環境保全設計コース自然環境保全講座教授.1997~2000年に日本哺乳類学会評議員,1993~1995年に哺乳類科学編集委員を務められました.研究対象はげっ歯類,食肉類,草食獣と幅広く,特にラジオトラッキング法を中心とする哺乳類の野外調査の研究基盤を作られ,多くの若手の人材育成に尽力されました.1985年以来,生態学的研究を続けていたイリオモテヤマネコ・ツシマヤマネコの保護については,科学的知見に基づく生息地の保全やモニタリングシステムの確立をされ,これは世界の小型ネコ科の中でも他に類をみないものです.一方で,地元の意見を取り入れられ,あくまで「人」を大事にしてヤマネコと人とが共生しつつ後世まで保全する道を模索されたのは,氏の人柄によるものが大きいところです.主要著書には『サバンナの生き物たち』(分担執筆,西日本新聞社),『現代の哺乳類学』(分担執筆,朝倉書店),『哺乳類の生態学』,(分担執筆,東京大学出版会)などがあります.