小型哺乳類,特に翼手類を対象に,系統分類学の立場から,核学研究と飛翔適応に関する機能形態学的研究を展開されるとともに,温帯産冬眠性翼手類の繁殖様式について細胞学的研究を精力的に進められ,受精遅延や着床遅延機構を解明されました.これらの成果は世界的に高く評価され,翼手類の生物学の発展に多大な貢献をされました.同時に離島における齧歯類を対象に生態と防除に関する研究を長期にわたって展開され,被害防除対策の礎をつくられ,地域社会の発展にも貢献されました.この間,多数の哺乳類学研究者を薫陶されるとともに,日本哺乳類学会の初代及び第2期会長(1984年6月~1990年12月)として学会の創設と運営に尽力されました.