日本哺乳類学会2024年度大会は、9月6日(金)から9日(月)の4日間、兵庫県立大学神戸商科キャンパスと神戸文化ホール(公開シンポジウム等)を会場として開催されます。大会長として、大会実行委員会を代表して、会員の皆様にご挨拶申し上げます。
昨年、沖縄で開催された2023年度大会はコロナ禍にあって3年ぶりの対面で、しかも本学会の100周年記念大会という節目の大会になり、熱量の高い活気あふれる大会となりました。2024年度大会は、沖縄大会に引き続いての対面の大会とし、皆さんの発表と議論が活発になるようお手伝いさせていただきますとともに、魅力的な公開シンポジウムを準備しています。
会場となる神戸市は、古くから交通の要衝として栄えてきました。また瀬戸内海に面し、六甲山系やその北と西に広がる農村地域を有しており、豊かな自然環境にも恵まれています。その一方で、分布を拡大する野生動物の都市への出没が脅威となっています。いまや、アーバンワイルドライフの出現は、神戸市に限らず全国的な課題となっています。そこで、大会実行委員会は、公開シンポジウム「動物たちの反乱―市街地に出没する野生動物対策の現状と課題―」を企画しました。大会の主催地の神戸市に出没する野生動物(シカ・イノシシ・アライグマ)対策の講演のほか、昨年、大きな社会問題となったヒグマやツキノワグマの出没、恒常的となったエゾシカ、ニホンザルの出没のほか、人口減少が進む日本の近未来を映し出す事例として、福島県帰還困難区域におけるイノシシや外来種対策が報告されます。
発表申込数は沖縄大会と同数程度になる見込みで、たくさんの会員の皆様が参集されます。本学会の新たな歴史の1年目にふさわしい大会となるように努めます。
- 日本哺乳類学会2024年度大会 大会⻑
- 梶 光一
- (兵庫県森林動物研究センター所長)