琉球列島:その特異な成り立ちと生物多様性
The Ryukyu Archipelago: Its Unique Geological History and Biodiversity
日時:2023年9月9日(土曜日)13:50-16:20 チラシ(PDF) → こちらから
開場:13:30
場所:那覇文化芸術劇場 なはーと(沖縄県那覇市久茂地3-26-27)
琉球諸島は,九州の南から台湾まで連なる大隅諸島,吐噶喇列島,奄美群島,沖縄諸島,宮古諸島, 八重山諸島,尖閣諸島および大東諸島からなる島嶼群である.一昨年(2021年7月),その一部が世界自然遺産に登録されたが,登録地のみではなく,それを含む琉球諸島全体に生物学的な面白さがある.それは本地域の世界的にも稀な複雑な地史や気候・沿岸海流等の環境履歴と深い関係がある.本地域の生物相を理解する上では,「現在」ばかりでなく「過去」にも目を向ける必要がある.近年,琉球諸島については,地学分野と生物学分野の両方で次々と新しい知見が出てきており,その生物相の由来についてのストーリーが整理されつつある.
本シンポジウムでは,地学と生物学の両方の側面から琉球諸島の成り立ちとそこから生まれた独特の生物相の最新の理解を試みる.なお生物の中でも現生の哺乳類については特に注目し,近年進められている研究とそこで得られた新しい知見を共有する.
プログラム
13:50-13:55
開会挨拶・趣旨説明
伊澤雅子(琉球大学・名誉教授)
13:55-14:30
地層と生物が語る 琉球諸島,激動の800万年史
井龍康文(東北大学大学院理学研究科・教授)
14:30-15:05
琉球諸島はまるごと自然史博物館: 特異な環境履歴が生み出した貴重な生物相
太田英利(兵庫県立大学自然・環境科学研究所・所長)
15:05-15:15 休憩
琉球諸島で進む哺乳類の最新研究
15:15-15:35
トゲネズミ属の性決定メカニズムの進化
黒岩麻里(北海道大学・大学院理学研究院・教授)
15:35-15:55
イリオモテヤマネコの生活史と社会構造
中西 希(北九州市立自然史・歴史博物館・学芸員)
15:55-16:20
総合討論 (各講演後に短い質疑の時間を含みます)
企画 伊澤雅子・山田文雄(沖縄大学・客員教授)