一般公開シンポジウム①
山岳地域が生み出す信州の生物多様性
2018年9月9日 13:00-16:00 信州大学農学部総合実験実習棟2階30番講義室
信州(長野県)は本州のほぼ中央に位置した山の国である。本州の背骨である信州の山々が源流となり, 北へ流れ下った川は日本海へ, 南に流れ下った川は太平洋に注ぎ、山稜の一部は日本海側と太平洋側の分水嶺となる。姫川沿いの標高170mから北アルプスの奥穂高岳3190mまで, およそ3,000mに及ぶ標高差は, ダイナミックな植物の垂直分布を示し,標高差や地形に影響を受けた気候がさらに多様性に富んだ自然環境を形成してきた。
信州の山岳環境がどのようにできあがってきたのか, 日本列島の歴史を紐解きながら, 生き物たちが信州の自然環境の変遷や多様な環境とどのように関わっているのか, その生き様を垣間見たい。山々とは, 生き物にとって越えるべき障壁なのか, 多様性を生み出す源泉なのか, 本シンポジウムを通じてみなさんと考えることができれば幸いである。
企画:日本哺乳類学会2018年度大会実行委員会
【スケジュール】
- 1.13:00-13:10
- 趣旨説明
- 2.13:10-13:45
- 日本列島と信州の山岳域の成り立ち
富樫 均(長野県環境保全研究所) - 3.13:45-14:20
- 水生昆虫・カワネズミの分子系統地理学的研究
東城 幸治(信州大学 山岳科学研究所) - 14:20-14:30
- 休 憩
- 4.14:30-15:05
- アカネズミの形態変異と信州の山岳
新宅 勇太(京都大学野生動物研究センター・公益財団法人日本モンキーセンター) - 5.15:05-15:40
- 山岳地域におけるニホンジカの多様な動き
瀧井 暁子(信州大学 山岳科学研究所) - 6.15:40-15:50
- 質疑応答
- 7.15:50-16:00
- 理事長挨拶
一般公開シンポジウム②
「動物園動物の給餌のエンリッチメントを考える」
2018年9月10日 9:30-12:30 信州大学農学部総合実験実習棟2階30番講義室
飼育野生動物のアニマルウェルフェア(動物福祉)への対応がWAZA(世界動物園水族館協会)からの指摘等もあり、我が国では解決すべき事項となっている。その解決策の一つとして、飼育環境のエンリッチメント化があり、餌食物の改善も主要な課題である。欧米の主要な動物園では栄養管理・飼料設計業務を統括指導する動物園動物栄養士(Zoo Nutritionist)が置かれ、栄養科学に基づいた動物園動物の飼養管理が実施されている。また餌食物の給餌方法についても、行動発現の多様化の視点から各園で様々な取り組みがなされているが、その科学的評価は十分でない。本シンポジウムでは、動物園動物の給餌について、栄養学的視点、行動学的視点から課題の抽出、その解決に向けた取り組みを紹介し、課題解決に向けた方向性を示したい。
企画:日本哺乳類学会2018年度大会実行委員会
【スケジュール】
- 1.
- 動物園動物の比較栄養学と比較細菌学
牛田 一成(中部大学創発学術院・応用生物学部) - 2.
- 動物園で給餌している飼料の化学分析と季節変化
八代田 真人(岐阜大学生物資源科学部) - 3.
- 動物園動物におけるアニマルウェルフェアの課題と解決
竹田 謙一(信州大学農学部) - 4.
- 動物園におけるアニマルウェルフェアに配慮した給餌方法
山梨 裕美(京都市動物園 生き物・学び・研究センター/
京都大学野生動物研究センター) - 5.
- 飼育野生動物栄養研究会 その設立経緯と今後
森田 哲夫(宮崎大学フロンティア科学実験総合センター)