大会長挨拶

富山大学大学院理工学研究部教授
横畑 泰志

 日本哺乳類学会2017年度大会は,9月8日(金)から11日(月)の4日間,富山大学五福キャンパスを会場に開催されます.大会長兼事務局長として,大会実行委員会を代表してごあいさつ申し上げます.日本哺乳類学会大会の富山県での開催は2002年度以来2回目になりますが,県内の日本哺乳類学会員を中心として実行委員会を発足させ,大会の開催と運営に向けた準備を進めております.皆様のご発表やご議論が活発になるようお手伝いをさせていただくとともに,魅力的なシンポジウムなど各種企画を準備しています.
 今回開催地となる富山県では,様々な環境変化に伴い,シカやイノシシの分布拡大や高標高地への進出が大きな問題となり,農林業や生態系への影響が懸念されています.2006年や2010年のツキノワグマ大量出没年には,全国的に類をみない大きな被害が発生したこともご記憶されていることかと存じます.近年の日本哺乳類学会の発展とともに大会の規模が年々大きくなり,地方の中小都市での開催が難しくなっていますが,これらのような野生哺乳類を取り巻く様々な問題の主な現場となっているのも,まさにこのような「地方」であることは間違いありません。ここ富山県内においても学会員の数があまり多くなく,大会長も事務局長と兼務という状態ではありますが,理事会,各種の委員会などからのご協力をいただきつつ,今後学会員の少ない地域での大会開催のモデルになることをめざし, 2002年度大会開催の経験を活かして,できる限りのご対応をさせていただく所存です.会員各位の活発なご参加をお待ち申し上げます.今後の安定的な学会活動を保証するためにも,皆様のご協力と,積極的なご参加をお願い申し上げます.