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高槻成紀氏

 1949年生まれ.元麻布大学獣医学部教授.高槻成紀氏は,日本哺乳類学会において,理事,評議員,委員を歴任するなど日本哺乳類学会の運営に尽力されたほか,2012年度には大会長を努めた.高槻氏はシカが植物群落に及ぼす影響を,シカの生活史や食性などの哺乳類側の視点と,植物群落がブナ林に与える影響などの植物側の視点の両者をリンクさせて研究することで,日本の哺乳類学および保全生態学を発展させ,その成果は210編におよぶ原著論文および総説として発表されている.特筆すべきは,そのうち原著論文48編,総説6編が日本哺乳類学会発行の雑誌に掲載されている点である.さらに1996年からはMammal Studyの編集長を務めるなど日本哺乳類学会の学術的発展を支えてきた.また「シカの生態誌(東京大学出版会,2006年)」,「野生動物と共存できるか-保全生態学入門-(岩波書店,2006年)」,「Sika Deer(共著,Springer,2009年)」など多数の著書を発表し,それらは現在の保全生態学の重要な教科書となっている.教育面でも多くの若手研究者を育成し,現在の日本哺乳類学会を支える人材を輩出しているほか,現在も博物館上席学芸員としてアウトリーチ活動を続けるだけでなく,インターネットを通じた情報発信にも積極的に取り組んでいる.

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